カードの値段を調べようとして「〇〇 買取価格」で検索すると、だいたい上位に出てくるのがポケカチである。ポケモンカードの買取価格と相場推移をカード単位でまとめている、いわゆる相場メディアだ。
便利なので使っている人は多い。一方で「ポケカチ 怪しい」「ポケカチの値段は当てにならない」という声も一定数ある。オリパ業者と違って商品を売っているわけではないので詐欺うんぬんの話ではないのだが、そこに出ている数字を信じて売り買いする以上、数字の出所は確認しておいたほうがいい。
編集部は運営会社ページと、実際のカードページに書かれた注記を読んだ。結論、運営は東証スタンダード上場企業で実体はまったく怪しくない。ただしサイトに出ている「買取価格」は、カードラッシュ1社が提示している値であって、複数店の平均でも中央値でもない。
ポイントまとめ
- 運営は株式会社コレックホールディングス(東証スタンダード上場・証券コード6578)。ゲーム攻略メディア「アルテマ」の運営元
- 掲載価格はサイト自身が明記しているとおりカードラッシュとの業務提携によるデータ。「シングル価格:カードラッシュの価格データを毎日更新」と書いてある
- カードページにも「素体価格は◯月◯日のカードラッシュの販売買取です」という注記がある。ポケカチ独自の査定額ではない
- PSA10相場だけは「ポケカチが独自に集計・計測」と表記が分かれている。ただし算出方法の詳細は、今回の調査範囲では公開を確認できなかった
- カード個別ページの上部にはオリパ7社の紹介枠(DOPA/エクストレカ/オリパスタジアム/オリくじ/どっかんトレカ/オリパワン/TORAオリパ)が入る。「PR」表記はある
- 同じ運営会社が、オリパ攻略メディア「オリパアカデミー」(onlineoripa.jp)も運営している
ポケカチの運営会社ページ(更新日:2026年7月10日)にはこう書かれている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社コレックホールディングス |
| 証券コード | 東証スタンダード上場企業 証券コード:6578 |
| 代表取締役 | 栗林 憲介 |
| 所在地 | 東京都豊島区南池袋2-32-4 南池袋公園ビル |
| 資本金 | 52,230千円 |
| 設立 | 2010年3月 |
| 従業員数 | 508名(2024.9月時点) |
| 事業内容 | トレーディングカードメディアの運営 |
上場企業である。この時点で、持ち逃げも夜逃げも構造的にありえない。オリパ業者の特商法ページを毎回チェックしている身からすると、ここは拍子抜けするほどクリーンである。
ちなみに本体(コレックホールディングス)のIRサイトにある会社概要を見ると、資本金70,005,344円(2026年6月26日現在)/従業員536名(2026年2月時点)となっており、ポケカチ側の記載より新しい。事業内容も「メディアプラットフォーム事業(イエプラ、アルテマ等)、アウトソーシング事業、エネルギー事業」と、トレカメディアは事業の一部という位置づけだ。
ポケカチ側の会社情報は更新が追いついていないが、それ自体は隠す類の話ではない。会社を調べたいなら本体IRを見たほうが早い、というだけの話である。
ポケカチのページを開くと、価格表の上にこう出る。
カードラッシュと業務提携して最新の価格データをお届け! ・シングル価格:カードラッシュの価格データを毎日更新 ・PSA10相場:ポケカチが独自に集計・計測し更新
カード個別ページにも「素体価格は2026年8月27日のカードラッシュの販売買取です」、価格推移表には「※価格推移はカードラッシュの金額を表示しています」と書いてある。高額買取ランキング記事でも「掲載している値段は全て、2026年8月27日時点のカードラッシュの買取価格です」と明記されている。
つまり、ポケカチが独自に査定しているのではなく、カードラッシュ1社の提示額を並べているサイトである。ここは隠されていない。むしろちゃんと書いてある。
問題は、読む側がそれを「相場」だと思って読んでしまうことだ。
1. 「買取価格」は店の仕入れ値。手取りではなく上限でもない
実際のカードページ(プロジェクトポッチャマ 232/S-P)の表示はこうなっていた。
| 区分 | 金額 |
|---|---|
| 買取価格 | 800円 |
| 販売価格 | 1,080円 |
| メルカリ | 1,000〜1,100円 |
買取800円、販売1,080円、フリマ1,000〜1,100円。同じカードで3つの数字が出る。ポケカチはメルカリ価格も併記してくれるので、この点はむしろ親切な部類である。
ただし「ポケカチで800円って書いてあったのに、うちの店だと600円だった」は普通に起きる。カードラッシュ以外の店は、カードラッシュと同じ額を出す義理がないからだ。逆に他店のほうが高いこともある。1社の値は相場ではない。
2. 「毎日更新」と「更新日」は別物
ページ上部の「更新日:2026年8月5日19:29」は記事の更新日であって、価格の日付ではない。同じページの価格注記は「2026年8月27日のカードラッシュの販売買取」になっていた。3週間ズレて見えるが、これは記事本文の最終編集日と価格データの取得日が別管理になっているためである。
見るべきは記事の更新日ではなく、価格表のすぐ上に書いてある日付のほう。
また、価格推移テーブルは10日刻み(8.25/8.15/8.5…)で並んでいる。「毎日更新」なのはシングル価格の現在値であって、推移グラフが日次で追えるわけではない。急騰・急落した日をピンポイントで特定する用途には向かない。
3. PSA10相場だけルールが違う
サイト自身が書き分けているとおり、PSA10相場はカードラッシュ由来ではなく「ポケカチが独自に集計・計測」である。何件のサンプルを、どこから、どう平均しているのか——その算出方法の説明は、今回の調査範囲では確認できなかった。
PSA10は同じカードでも出品先と時期で数万円動く世界なので、根拠が非公開の一本値は、参考値として受け取っておくのが安全だろう。鑑定品を売買するなら、PSA10の実際の落札推移を自分でも見ておきたい。
- カードの値段を見に来たページの上に、オリパの広告枠が出る。編集部が確認したカード個別ページと高額買取ランキング記事では、価格表のすぐ近くに「24時間いつでも!ポケカオリパ7選」としてDOPA・エクストレカ・オリパスタジアム・オリくじ・どっかんトレカ・オリパワン・TORAオリパの7社がクーポンコード付きで並んでいた。「PR」表記は更新日の横に出ているが、文字は小さい
- 同じ会社がオリパ紹介メディアもやっている。運営会社ページに自ら書いてあるとおり、コレックホールディングスは「オリパ攻略メディア」としてオリパアカデミー(onlineoripa.jp/2024年3月リリース)を運営している。相場を出す媒体とオリパを紹介する媒体が同一運営、という構図そのものが警戒される
- 価格が自社査定に見える。「ポケカチ=相場の権威」だと思って見ると、実態が提携1社のデータであることに後から気づいて裏切られた気分になる
念のため書いておくと、1と2は違法でも不正でもない。広告であることを表示していればステマ規制上の問題はないし、メディアが広告で稼ぐのは当たり前である。ただし「中立の相場データ」として無条件に信頼する対象ではない、という距離感は必要だろう。
運営会社ページに列挙されているものをそのまま並べる。
| 媒体 | 対象 | URL | リリース |
|---|---|---|---|
| ポケカチ | ポケモンカード相場 | altema.jp/pokemoncard/ | 2022年11月 |
| ワンピカチ | ワンピースカード相場 | altema.jp/onepiececard/ | 2024年6月 |
| 遊戯カチ | 遊戯王カード相場 | altema.jp/yugiohcard/ | 2025年7月 |
| オリパアカデミー | オンラインオリパ攻略 | onlineoripa.jp | 2024年3月 |
相場メディア3つとオリパメディア1つ。「〇〇オリパ 評判」で検索したときに出てくる記事と、「〇〇 買取価格」で出てくる記事が、同じ会社ということは知っておいていい。
ポケカチに限らない話として、3点だけ。
論点1:買取価格=店が仕入れる値段
店は仕入れて売って利益を出す。買取価格は必ず販売価格より低い。「ポケカチで1万円だったから1万円で売れる」ではなく「1万円で買い取る店が1社ある」が正しい読み方である。
論点2:フリマの実売とは別レイヤー
メルカリの成約価格には手数料10%と送料が乗る。表示1万円のカードは手取り約8,800円。買取1万円のほうが手残りで勝つケースは普通にある。ポケカチがメルカリ価格を併記しているのは、この比較をさせるためだろう。
論点3:オリパの「還元率」の分母にも同じ問題がある
オリパ業者が出す「還元率◯%」の分母は、たいていどこかの買取表である。どの店の、いつの値かで還元率は簡単に動く。表示と実態のズレを利用者側から検証しにくい構造は、相場メディアよりオリパのほうが深刻だ。
→ 【炎上】オリパの「還元率110%」とかいう謳い文句、弁護士「普通に賭博罪アウトの可能性あるぞ」
- 「買取価格」はカードラッシュ1社の提示額と理解して見る。他店が同額を出す保証はない
- 価格表の上の日付を見る。記事の更新日ではない
- 売る前に最低3社。ポケカチは当たりをつける道具で、査定そのものではない
- PSA10相場は参考値。算出方法が公開されていない
- オリパ枠は広告。価格情報の一部ではない
- メルカリ併記は活用する。手数料10%を引いて買取額と比べる
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ソース
※本記事は2026年8月27日時点の公開情報にもとづく検証です。掲載価格・提携先・表記は変更される場合があるため、利用前に必ず公式の最新表記をご確認ください。