「トレカ協会」こと一般社団法人日本トレーディングカード協会(JTCA)は、2026年7月に公式Xを開設した直後から「怪しい」「炎上」という言葉と一緒に語られてきた団体だ。X開設から3か月、なにが起きて、どこが疑われ、協会は何と答えたのか。公開情報と5ちゃんねる(なんG・嫌儲)の実際の書き込みをもとに整理する。
先に断っておく。オリパ速報は協会にも関係企業にも取材していない。本記事の「怪しい」は、ネット上でそう言われている状態を指す言葉として使っている。協会や関係者に違法・不正があったという事実は、2026年10月23日時点で確認していない。
- 協会は2025年11月14日に設立され、2026年5月に公式サイト、7月22日に公式Xを開設。その翌日に自民党「トレカ議連」の設立総会へ出席した
- 「怪しい」と言われた理由は大きく5つ。①メーカー不在でカードショップ中心の顔ぶれ、②オンラインオリパを手がける事業者の参加、③参加企業一覧を公開直後に非公開化、④X開設3日目で「法的措置」を警告、⑤オンラインオリパに「肯定も否定もしない」と表明
- 5ちゃんねるでは7月23日〜25日の3日間に6スレ・計110レス。最大は嫌儲の56レス。8月以降、協会を主題にしたスレはスレタイ検索では見つからない
- 8月に代表理事が交代し、神奈川県警との情報共有の検討も始まった。10月には規程のカードサイズ定義を紹介した投稿が約189万表示まで広がって批判が集まり、業界の古参から「別に要らないので解散します」という発言も出た
| 日付 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2025/11/14 | 一般社団法人として設立登記 | KAI-YOU |
| 2026/05/25 | 公式サイト開設 | 協会サイト |
| 07/21 | 自民党有志による「トレカ議連」設立が報道される | 共同通信ほか |
| 07/22 | 公式X(@jtca2025)開設。サイトに参加企業一覧を掲載 | 協会X |
| 07/23 | 議連の設立総会に出席。同日、参加企業一覧が「COMING SOON」に | KAI-YOU・協会サイト |
| 07/24 | 「事実と異なる情報の拡散や誹謗中傷」に対し、開示請求を含む法的措置を警告 | ORICON NEWS |
| 07/25 | オンラインオリパについて「無条件に肯定も一律に否定もしない」と見解を公表 | オタク総研 |
| 08/10 | 神奈川県警と盗難カードの情報共有について検討開始 | 協会サイト |
| 08/25 | 代表理事が古川宗一郎氏に交代。「トレーディングカード統一定義規程」を公開 | 協会サイト |
| 10/08 | 規程のカードサイズ定義を紹介した投稿が拡散、約189万表示 | X |
| 10/21 | NPO法人カードゲーム文化振興協会の大河内氏が「別に要らないので解散します」と発言 | GameBusiness.jp |
① メーカーがいない。顔ぶれはカードショップと鑑定会社
KAI-YOUの報道によると、設立時の代表理事は水野由将氏と伊藤奈保子氏。理事は鑑定品を扱うYAMAKOMA ASSET BANK社の山口雄示氏、カードショップ「トレカラウンジ」などを運営するマルチプル社の岡谷亮佑氏、カードショップ「はっち」のはっち社・八塚健氏だった。7月23日までに公開されていた参加企業にも、竜星の嵐(O&A社)、magi(ジラフ社)、カードン、トモハッピー氏が代表のハッピー商店などショップ系が並び、KAI-YOUが確認できた範囲では、ポケカや遊戯王を作っているメーカーは含まれていなかった。
ゲームソフトの年齢区分を決めるCEROや、ソフ倫のように「作る側」が集まる団体を想像していた人ほど、「売る側だけの団体が業界を代表するのか」と引っかかった。
② オンラインオリパを手がける事業者の参加
批判が集まる最中のオンラインオリパについて、参加企業の中にそれを手がける事業者が含まれているとSNSで指摘された。協会自身も7月25日の見解で「オンラインオリパ事業者の加盟は事業形態のみをもって一律に判断せず」、運営実態や法令順守の状況を見て審査すると述べており(オタク総研)、オリパ事業者が加盟の対象になっていること自体は協会の説明からも読み取れる。
ここから「オリパを売る側が入っている団体が、オリパを規制する側に回れるのか」という疑問が生まれた。
③ 参加企業一覧を公開直後に非公開化
一覧がSNSで拡散され始めた直後の7月23日、サイトの参加企業欄が「COMING SOON」に変わった。協会は同日のXで「議員連盟設立総会に合わせたご案内となりました関係上、弊協会ホームページにつきましては、現在も一部未完成の状態」と説明し、一覧は調整中で公開まで待ってほしいとした。
説明は出ているが、企業名が広まった直後というタイミングだったため、「消した」「隠した」と見る書き込みが目立った。
④ X開設3日目で「法的措置」を警告
7月24日、協会は公式Xで「一部では企業様、議員様、当協会および関係者に対する、事実と異なる情報の拡散や、人格を攻撃するような誹謗中傷が確認されています」とし、「記録・保存を行い、必要に応じて発信者情報開示請求をはじめとする法的措置を講じてまいります。なお、悪質性が高いと判断した一部の案件については、すでに手続きを進めております」と警告した(協会の7月24日の投稿、ORICON NEWS)。
同じ投稿で「批判やご意見そのものを問題視するものではありません」とも書いている。ただ、活動実績がほぼない段階での法的措置の予告は「最初の仕事が開示請求か」と読まれた。5ちゃんねるのレス数はこの日に60、翌25日に42と、ここが山になっている。
⑤ オンラインオリパに「肯定も否定もしない」
7月25日、協会はオンラインオリパに関する基本的な考え方と対応方針を公表した。「無条件に肯定する立場でも一律に否定する立場でもない」とし、「反社会的勢力や悪質事業者の関与を排除できているかなど実態に基づいて検証すべき」との内容だ。規制の推進や特定の事業形態の是非判断は協会の主目的ではない、とも書いている。
②の座組と合わせて読んだ人からは、消極的だという受け止めが出た。オタク総研も「協会の姿勢を消極的と見る意見や、役員企業の扱いに関する疑問の声が上がっている」と報じている。
5ちゃんねるのスレタイ検索(find.5ch.io)で「トレカ協会」「トレカ議連」を10月23日に調べたところ、協会に関するスレは次の6本だった。なんJ本家(livejupiter)には該当スレがなく、立っていたのはなんG(livegalileo)と嫌儲(poverty)だ。本記事では「なんJ=なんG」として扱う。
| 板 | スレタイ | 日時 | レス |
|---|---|---|---|
| なんG | 【悲報】自民党のトレカ議連、協賛してるのがメーカーでなくオリパショップの模様 | 7/23 06:47 | 3 |
| なんG | トレカ議連←意味のない議連だよ | 7/23 13:47 | 5 |
| なんG | 日本トレカ協会「当協会への誹謗中傷が確認された。看過できない」 | 7/24 21:49 | 4 |
| 嫌儲 | 日本トレカ協会「ゆるさん⋯ゆるさんぞケンモメン!」誹謗中傷に法的措置へ | 7/24 22:46 | 56 |
| なんG | 【悲報】日本トレカ協会、物凄い速度で訴訟へ | 7/25 12:11 | 13 |
| なんG | 日本トレカ協会、誹謗中傷に法的措置www | 7/25 12:52 | 29 |
議連そのものを扱ったニュース速報+のスレは698レスまで伸びたが、協会単独では嫌儲の56レスが最大。8月以降、協会を主題にしたスレはスレタイ検索では見つからなかった。10月のカードサイズ定義や大河内氏の発言はXで広がったが、5ちゃんねるにスレは立っていない。
以下は上の6スレからの抜粋。業者名や個人名を挙げた書き込み、「詐欺」「反社」と断定した書き込み、協会の意図を事実のように書いた書き込み、差別語を含む書き込みは除いた。並びはスレの日時順。
書き込みの中心は「メーカーがいない」「一覧を消した」「初手が法的措置」の3点。一方で「自主財源なら問題ない」「規制が来るなら団体を作って自衛するのは当然」という擁護寄りの書き込みも嫌儲に数件あり、批判一色ではない。
協会サイトのお知らせに載った動きは次のとおり。
- 8月10日:神奈川県警から盗難カードの情報提供を受け、専門店へ共有する窓口になる取り組みの検討を開始
- 8月25日:代表理事が古川宗一郎氏に交代。同日、カードの寸法などを定めた「トレーディングカード統一定義規程」を公開
設立時の代表理事2名から約9か月での交代だが、交代の理由はお知らせに書かれていない。参加企業一覧は、10月23日時点でもサイト上で確認できなかった。
8月に公開された規程は、10月8日にカードのサイズを縦45〜120mm、横30〜90mmと定めた部分を紹介した投稿が約189万表示まで広がり、批判が集まった。規程の第2条では適用先を協会自身の認定・鑑定・審査などの活動としており、各ゲームの大会ルールを変える内容は確認できないが、「協会が勝手にカードのサイズを決めるのか」という反応が先行した。
10月21日には、12年前から活動するNPO法人カードゲーム文化振興協会の代表・大河内卓哉氏がGameBusiness.jpのインタビューで、トレカ協会を「急いだ」と評し、自分が会長を引き継ぐなら「別に要らないので解散します」と答えた。大河内氏は、メーカーや老舗の同意を得ないまま一部の事業者主導で立ち上がったことが批判の原因だと見ている。
カードショップ店主の池っち店長氏は、協会のオリパ見解を取り上げ、オンラインオリパに不正が認められたとき協会が「必要な処置を取る」のか、それとも規制緩和に動くのかが「踏み絵」になると投稿している。
| 確認できていること | 確認できていないこと |
|---|---|
| 設立時の理事・参加企業がショップ・鑑定会社中心だった(KAI-YOU) | 現在の参加企業と会員数(サイトで非公開のまま) |
| 一覧の非公開化、法的措置の警告、オリパ見解はいずれも協会の公式発信 | 法的措置が実際に誰に対して進められたか |
| 8月に代表理事が交代した(協会サイト) | 交代の理由 |
| 神奈川県警との連携は「検討開始」の段階(協会サイト) | 連携がその後どこまで進んだか |
「怪しい」と言われている中身を分解すると、事実として固いのは座組の偏りと説明の順序の悪さで、不正や違法を示す公的な記録や報道は見つかっていない。
トレカ協会については、発足時の動き、オンラインオリパへの見解、カードサイズ定義への批判、大河内氏のインタビューも別記事で取り上げている。
出典は本文中の各リンク。5ちゃんねるの書き込みは2026年10月23日にスレッドを直接確認し、スレ日時はスレッドIDから換算した。サムネイルはオリパ速報が作成したイメージイラスト。
ソース
- 日本トレーディングカード協会 公式サイト・お知らせ
- 日本トレーディングカード協会、参加企業一覧を非公開に 自民党「トレカ議連」出席に不安の声(KAI-YOU)
- 日本トレカ協会、誹謗中傷を確認で警告「法的措置」(ORICON NEWS)
- 問題視される「オンラインオリパ」にトレカ協会が見解「肯定も否定もする立場でない」(オタク総研)
- 「日本トレーディングカード協会」設立は“急いだ”(GameBusiness.jp)
- 自民、トレカ議連設立へ 偽造、大量購入問題にルール整備(ニュース速報+)
- 【悲報】自民党のトレカ議連、協賛してるのがメーカーでなくオリパショップの模様(なんG)
- トレカ議連←意味のない議連だよ(なんG)
- 日本トレカ協会「当協会への誹謗中傷が確認された。看過できない」(なんG)
- 日本トレカ協会「ゆるさん⋯ゆるさんぞケンモメン!」誹謗中傷に法的措置へ(嫌儲)
- 日本トレカ協会、誹謗中傷に法的措置www(なんG)
- 【悲報】日本トレカ協会、物凄い速度で訴訟へ(なんG)